鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語

教室の前には、人はあんまり集まっていなかった。
新入生は、美空が見当たらなくて引き返したんだろう。

「はぁ、美空……」

「お前、溜息何回目だよ……」

「愛情深すぎで怖いって、こないだ鈴木ちゃんが言ってたぞ?」

昼は一人で食べようと思っていたのに、なぜか高橋と委員長が俺を囲んでいた。

「普段なら毎日昼も一緒なのに。
本当なら、可愛い美空を眺めながらパンをわけあってる頃なのに。
あいつらのせいだ、新入生!
畜生、俺と美空を離すなんて」