鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語

おい美空。
なんで? って顔するな。
今の会話聞こえなかったのか?
こいつは本当に……。

「美空、行くよ?」

「どこに?
帰るの?
うち、門限こんなに早くないよ?
みんなでご飯食べて行こうよ?」

「……瀬田君……」

鈴木が、生ぬるい瞳でこちらを見つめていた。
本人には伝えずに泊まりに連れてくのか、とでも言いたげだ。

その通りだ。

「じゃあ、週末明け、学校で!」

言って、美空の手を引いてプールを出る。