鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語

「可愛いわねぇ! 
わたし、実は、娘が欲しかったのよねぇ……」

娘がいたらこんな風だったのかしら、と、美空を目の前に、目をキラキラさせている。
何言ってるんだか。

「どっちも好きですよ?」

今日の夕飯のメニューの話だとは思っていないらしい鈍感美空は、素直にそう答えた。
ま、そうだろうよ。

「どっちも好きなの?
いいわねぇ~!
あ、じゃあね、今日のお夕食は何が食べたい?」

またも小首をかしげて、美空は俺を見た。