鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語

翌日。

うちで夕飯食うか? と軽い感じに聞いてみると、うん、と軽く返事が返ってきた。
え? そんなあっさり?
こういうのって、気を遣ったり緊張したりするものじゃないの?
俺、なんて切り出そうか結構昨夜、悩んだぞ?

「あ、ほら、瀬田だってうちでよくケーキとかご飯とか、食べてるじゃない?」

いや、喫茶店内と家庭では、随分違うと思うけど……。
さすが天然鈍感娘。
美空は母親に、「瀬田のおうちでお夕飯に呼ばれたから、今日は遅くなるよ、あたしの分いらないからね」と、メールを打って。

「よしオッケー」

と、笑った。
俺の悩んだ時間って、一体……。

「ほら美空、ここ」

「あ、通り過ぎちゃうとこだった」