「――ら、さくら!」
「えっ……あ」
目の前に、すみれの顔があって、飛び上がりそうなほど驚いた。けど、親友は失礼なあたしの反応よりも心配が勝ったらしい。
「あんた、ぼ~っとしてどうしたのよ? 好きなゲームなのに。気ぃ失ってたの?」
ハッと気づくと、手にしたハンマーを構えたまま。もぐらたたきゲームは0点のまま。
ミケが筐体でのんびり寝そべってる。
(あたし……帰ってきたんだ。ヒース司祭長の約束通りに)
キョロキョロと周りを見渡すと、懐かしい景色のまま何一つ変わらない。ふう、と息を吐いたあたしにすみれが心配そうに訊いてきた。
「あんた、マジで大丈夫? シェーキはいいから、家に帰って寝たら?」
「え、んなわけないでしょ! さ、はっちゃけよ! せっかく遊びに来たんなら思いっきり楽しまなきゃ」
ハンマーを両手もちにして張り切ると、すみれは「何よ急に?」と言いながらクスリと笑う。
「わかった。こうなったらとことん付き合うけど、ポテトはLLサイズね?」
「え~マジ!? お小遣い前でピンチなんですけど」
「知りません! さくらに二言はないんでしょう?」
「すみれ様~勘弁してくだせえ」



