ポン、と間が抜けたような、軽快な音が響いた。
何かと誰もが注目をした先にいたのは――帝国の全身黒づくめのプレイヤー。その人はなぜか、アクスティア王国側のモンスターをピコンと叩いた。
2点……3点。
やがて、30点ほど追加したプレイヤーは。仮面を脱ぐ。
そこに現れた顔に、みんな一様に息を飲み驚きの声を上げた。
なにせ、帝国皇帝と瓜二つの顔だったのだから。
「あなたは……」
「我は、ステルス帝国現皇帝アランサドス二世。娘、前回といいそなたはなかなかの手練れである。ぜひとも帝国としては欲しい……」
皇帝が話してる最中というのに、アレクは彼を睨み付けてあたしを庇うように隠す。それを見た皇帝はニヤリと唇の端を上げた。
「――と思うたが、アレク殿下の手つきのようだ。我は、ひとの女に興味はない。サクラとやらはアレク殿下にくれてやろう。それと」
ピコン、と皇帝はもう一度ハンマーで叩いた。
「あの時サクラが止めねば、我とて命が危うかったのは事実じゃ。礼を言おう――命あっての物種じゃ。今回、そなたらの得るべきポイントをくれてやろう。つまりはそちらの圧勝ということじゃ、領土はすべて返してやろうぞ」
白熱し面白いバトルであった、と皇帝は上機嫌で引き上げていく。どうやら退屈しのぎに自らプレイヤーをしていたらしいけど……何だか気が抜けた。



