あれ、でも? とあたしは気づいたことがある。
アレクとの対戦のフィールドはアンナさんが歌により出してたけど、それじゃあ庶民さん達はどうやってゲームをするんだろう? まさかゲーム機がこの世界にあちこちあるとは思えないけど。
そんな素朴な疑問は、パティさんにより解決された。
「国民のバトルは、簡易的に作られたからくりで決着が着けられます」
「えっ! そんなのがあるの!?」
あたしは思わず椅子から立ち上がって、パティさんに顔を近づける。彼女は顔がひきつってたけど、「はい」と答えてくれた。
「教会所属の職人が作り無償で提供されています。木造で、魔法を動力として動くのです」
「魔法!」
すごい! 魔法で動くもぐらたたきゲームなんて。きっと地球では誰も見たことがないに違いない。
「すごい! 見たい!! と言うかむしろ見せてください、お願い!」
興奮のあまりパティさんの肩を掴んで揺すれば、彼女は目を白黒させながら「わかりました……ご案内します」といってくれたけど。
あたしが力を入れてパティさん本体を揺さぶりすぎたせいか、彼女が青い顔でいたから「すこし休む?」と訊いたら、「すみません」と言いながら、倒れるように椅子に腰かけてた……。



