世の中、どうすることもできない問題もある。 それは、加持くんが私のことを好きだけど、私は公生くんのことが好きなことと同じように、感情をどうこうできるなんて、容易じゃない。 時として、その人を傷つけてしまうこともある。 でも、 いつかは……。 私は、コーヒーを一口飲んだ。 口いっぱいに苦い味が広がった。 ここで、初めて砂糖もミルクも入れてなかったことに気付いた。 でも、今日はこれでいい。 苦い味のコーヒーでいい。