「お母さんは白羽くん知っているの?」
「え?
ええ勿論
彼ほど有名な子はいないわよ
美夜と同い年だものね」
「…あのね
同い年だけじゃないの」
良い機会だ
言おう
お父さんも振り向いたし
あたしは息を吸い込んだ
「あのね…あたしね…」
ガララッ
その先は言えなかった
診察室の扉が開く音に掻き消されてしまったから
「…あ
父さんも來兄も竜真も来ていたんだ」
空真さんが出てきて辺りを見渡す
いつの間にか診察室の前は大賑わいだった
まさか両方の家族が集合するなんて
「空真…斗真は?」
「点滴してもらってるから
少しだけど良くなった
やっぱり入院だって」


