「……あら?美夜?」
名前を呼ばれて振り向く
そこには後ろで黒髪を1つに束ねた
白衣姿の女の人が立っていた
「……お母さん?」
「美夜…どうしてこんな所にいるのよ」
「あっと…実はね…」
実はあたし
彼氏がいることを両親に言っていないのだ
白羽くんの家族にあたしが知られたのは
白羽くんの家に頻繁に行っていたから
言うまでもなく知られてしまったけど
白羽くんはあたしの両親に会ったことがない
多分病院内ですれ違う程度だろう…
口ごもるあたし
するとお母さんはあたしではなく
あたしより遠くを見てぱっと笑った
「心さんよね!?」
「…もしかして実也子(みやこ)さんですか?」
「きゃー!久しぶり!!」
病院内だと言うことを忘れているのか
はしゃぐお母さん
一応院長の妻で医者なんだけど…


