「……斗真?おはよう」
黙ってあたしと萌の会話を聞いていた柿沢くんが呟く
あたしと萌は柿沢くんが向く方向と同じ方を向いた
「……おはよ…う…」
何故かぎこちなく挨拶する白羽くん
…やけにかっこいい
インナーが付く薄い水色と濃い青色が混ざるチェックのジャケット
シンプルなデニムのパンツ
靴も黒い紐が目立たないシンプルな黒いもの
…何でこんなラフな格好が出来るのだろうか?
「どうした斗真
そんな所に突っ立って」
「…あっ……」
「…もしかして
黒木さん見て惚れていて
挨拶するタイミング逃したか?」
「…………」
「ははっ…図星か」
首の後ろに手を当てて
視線を斜め下へ落とす白羽くん
その顔は少し赤く見えた


