「黒木さんやめろ!
コイツらに渡す金なんてねぇよ!」
「美夜!!」
柿沢くんと萌が言っているけど
あたしはゆっくりと5千円札を取り出す
そして財布の蓋を閉じた
パシッ
「……え?」
「…駄目だよ……」
辛そうに顔を上げた白羽くんがあたしの腕を掴んでいる
さっきとは逆だ
「駄目…渡しちゃ……」
「でもっ……!」
「平気だから……ね……?」
「何がっ……?」
「…ッ…ゲホゲホッ…ゴホゴホッ…ゲホッ……」
「白羽くんっ……!」
何が平気なの
あたしの目には涙が自然と浮かんできていた
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