「ハハッ…」
暗闇に響く誰かの笑い声
「ちょっ柿沢くん
こんな時に笑わないでよ」
「は?
俺が笑ったんじゃねぇし」
「樹じゃないの?」
「俺じゃねぇよ
斗真じゃねぇのか?」
「白羽くんが笑えるわけないでしょう
こんな状況なんだから」
「じゃあ誰?美夜?」
「あたしじゃないよ
萌じゃないの」
「私じゃないよ!
大体どう考えたって男の声でしょ」
「何の話だ?」
「誰が笑っているのかって話だよ
……へ?」
どこからか聞こえた声に
目の前にある大きな黒い壁
違う
壁じゃない
壁なわけない
黒い服を身に纏う
大勢の男の人が
あたしたちの目の前に立っているだけだ…!


