平気だって言うけど
柿沢くんの言う通り平気になんて見えない
目は変わらず焦点合っていないし虚ろだし
今すぐ倒れそうなほどふらふらだ
何故倒れないかは
隣にいるあたしがその腕を持っているから
さっきと変わらず震えているのに熱く
呼吸1つするのも苦しそうだ
「ともかく
誰か1人は一緒に行かねぇと無理だ
危なっかしくて帰らせられない」
「平気だよ……」
「黒木さん?」
「白羽くん嘘つかないで
平気じゃないんでしょ
平気だったらそんなに苦しそうじゃない」
「樹に黒木さん…
いつからそんなに仲良くなったの…」
「お前と萌が秘密を共有している間にだ」
…何だか柿沢くんが怒っているように見えるのは気のせい?
もしかして羨ましかったのかな?
「じゃあ行こうか?
白羽の家」
「小谷さんっ……」
「さっきは謝るの止めようとは言ったけど
やっぱり言わなかった私は悪かった
だからせめてもの償い
白羽を無事家まで送り届けるよ!」
「俺もだ斗真」
「あたしは彼女でしょ?
彼氏のことは心配だよ?」
「嬉しいけど…
ヤメテクレ……」
だけど辛いのか
素直に白羽くんは送られることになった


