美しき夜、北斗七星が輝く









「私は…
何度も樹と美夜に言おうとした

だけど白羽から口止めされた
言わないでほしいって

その後も
樹と美夜がトイレに行っている間も
ジェットコースターに並んでいる間も
白羽は凄く辛そうだった

だけど…
言わないでって言った白羽の言葉に
私は逆らうことが出来なかった

私が…言えば良かったの
なのに……!

ごめんなさいっ……!」




萌は目にほんの少し涙を浮かべていた

あたしと柿沢くんは何も言えなかった

あたしと柿沢くんが知らない間に

そんなことが起きていたなんて




「だから…ケホッ…小谷さんは…
悪くないんだよ…ケホケホッ…」


「「……」」


「ごめんなさいっ……」



あたしは首を振った

そんなあたしの行動にふたりは驚いていた



「白羽くんも萌も悪くないよ
あたしこそ…気がつかなくてごめんね

平気なんだって考えてた」


「俺もだ…
俺も悪かったんだ

斗真が人混みの中で発作起こさねぇの
不思議だって思ってた

だけど…体調が良いんだなって考えてた」





今度は白羽くんと萌が首を振った