少しして
白羽くんは再びふらふらと立ち上がった
自分が立ち上がるだけでも大変なはずなのに
あたしの手も同時に握って立ち上がらせてくれた
「…樹」
「何だよ」
「…僕が…言ったんだ
ハァ…小谷さんに……」
「何を言ったんだ」
「白羽!
私に説明させて…お願い!」
ペコンッと萌が90度を描くように頭を下げた
白羽くんは何も言わなかったけど
きっと萌が言うことになった
「実は…
迷路の中で
私と白羽は合流したの
一緒にゴールまで行くことになった
そこでね…
白羽は…発作を起こしたの」
そんな前から!?
まだあの頃は夕方にもなってなかった
だいぶ時間が経っている


