「白羽くん!」
サッと彼の肩に手を回す
…さっき柿沢くんが驚いた理由がわかった
思わず手を離したくなるほど…熱い
それなのにカタカタと小さく震えている
触れていなかったからさっきはわからなかったけど
呼吸も一定じゃなくて苦しそう
「薬は?どこにあるの?」
だけど冷静にならなくちゃ
自然の森で考えたでしょ
白羽くんはふらっとして
あたしに軽くだけど体を傾けた
倒れないようあたしがその肩をしっかり支えた
その間に白羽くんは
パンツのポケットから細長い箱を取り出し
中から錠剤を2つ取り出して口にいれた
「…黒木さん……」
「うん?」
「…平気だから…ね…?
だからそんな…泣きそうな顔…しないでよ…」
泣きそうな顔…あたししてたの?
あたしは何も言わないで頷いた


