焦点が合わないし
何より少し虚ろな気がする
「……白羽くん?」
あたしの問いかけに答えない
ただ視線を逸らした
「斗真?
お前…平気か?」
「大丈夫だよ…」
「斗真」
「平気だってば…」
「おい」
ガッと白羽くんの腕を掴む柿沢くん
そしてその顔が驚きに染まった
「お前っ……!」
素早く白羽くんの前髪をかき分け額に触れた
「お前熱出てんじゃん!」
「……ッ」
「何で言わねぇんだよ!アホ!!」
閉園が近いのか
お客さんがあんまりいない
少なくて良かった
多かったらきっと大勢の人が
柿沢くんの声に振り向いてた


