「……」
「小谷さん?」
「あっごめん」
立ちあがったけど私は離さず
その彫刻みたいに綺麗な白羽の手を
思わず自分の目元に近づけてしまった
「僕の手何かついてた?」
「違うの
白羽の手って綺麗だよね」
「そう?」
自分の手のひらを見る白羽
まるで手相を見るかのようにジッと見つめている
そしてこちらを向いてふにゃっと笑った
…何だこの気の抜けるような笑顔は
「自分じゃわかんないや」
「…ソウデスカ
でも凄く綺麗だよ
羨ましいぐらい
女子なら白羽ぐらいに
白くて細くなってみたいなぁ」
「…白いのは
あんまり外に出ないからだって言われる
あと僕小食であんまり食べないからね」


