「あはは…ごみーん」
ごみんはちょっと古すぎたかな?
「いきなり小谷さんにぶつかられて…
驚いたよ」
スルーですか白羽さん
「出てくると思わなくて…」
どうやら白羽が出てきたのは
真っ直ぐだと思っていた私の立っていたスタート位置からは死角の1本道
まるで止まれを無視してぶつかった車の気分だ
「大丈夫?怪我してない?」
ニコッと笑って手を差し伸べてくる白羽
私は「ありがとう」とその手を握った
…って
何コレ!?
めっちゃ冷たい!
そして白い!!
そして細い!!!
女子の私よりも白くて細くて綺麗な手をしている
樹と同じ男子高校生のはずだけど
不思議と骨ばった感じはない
むしろ美夜と手を繋いでいる気分だ
「…小谷さん?痛い」
「あ…ごめん」
白羽の手に驚きすぎて
思わず強く握ってしまったらしい
あたしは握ったまま立ち上がった


