「美夜」
振り向くとお父さんとお母さんがいた
「ほら差し入れだ」
「ありがとうお父さん」
「…斗真くんは大丈夫か?」
貰ったチョコレートを見ていると
お父さんが聞いてきた
「うん…
大丈夫だよ」
「そんな泣きそうな顔するな美夜
斗真くんが起きた時心配してしまうだろう
患者さんを明るくさせるのも
医者の大事な仕事だって
以前美夜が言っていたことだろう」
「そうだよね…!
暗くしちゃ駄目だよね」
「美夜」
「何?」
「今度斗真くんを家に連れてきなさい」
「お父さん……」
「それじゃあ仕事があるから
無理するな」
「ありがとう!」
お父さんは普段無表情で
少し怖いと思っていた所があった
だけど今のお父さんは笑っていた


