「……美夜
わたしそろそろ帰らないと」
時計を見た莉々花が切り出す
「わかった
じゃあまた学校でね」
「斗真のこと…教えてくれる?」
「わかった」
莉々花が帰っていく姿を眺める
莉々花と和解出来て良かった
本当は一途な良い子だっていうのもわかった
まぁ恋のライバルであることは変わらないけど
「美夜」
「お母さん
白羽くんはどう?」
「発作は落ち着いたけど…
意識不明で…」
「そうなの……?」
「今日は多分目覚めないだろうから…
美夜はもう帰りなさい」
「はい……」
「目覚めたら連絡するから」
あたしはお母さんと別れて歩きだす
白羽くん…大丈夫かな?
また笑って呼んでよ
「美夜」って……
「斗真…」
空を見上げると
少し欠けた満月が夕方の空に薄っすらと見えた


