美しき夜、北斗七星が輝く








当時インフルエンザが流行り

空いている病室は少なく

俺はインフルエンザで入院していないものの

風邪で入院していた斗真と同じ病室になった



最初看護師の計らいで挨拶はした

だけどそれだけ

お互いずっと黙り込んだ



後でわかった話だけど

斗真は体質のせいで学校に行けず

同年代の奴らと話したことが皆無に等しく

初めてと言って良いほど自分と同年代の俺と同じ病室になったことに

斗真は当時酷く驚き戸惑っていて

「何て話しかければわからなかった」と苦笑された



俺も人見知りだから

斗真と話さずひたすら携帯ゲーム機を持ち込み

ゲームに夢中になっていた




俺の親は共働きで

友達も少なかったし

チームメイトも練習に明け暮れていたため

見舞いには誰も来なかった

萌には恥ずかしくて見舞いに来いと言えなかった




一方の斗真は

毎日のように父親やお兄さんたちが

必ず1人は見舞いに来ていた

白羽家の面々と知り合ったのはこの頃