コツコツと靴の音が院内に響く

俺は手に鞄と折り畳まれた制服を持って

病室に向かっていた




「…よお」


「……樹…」




病室の扉をノックもなしに開けると

酸素マスクをつけて点滴に繋げられた斗真が

ぐったりした様子で横たわっていた




「忘れ物
鞄と制服だ」


「ありがと…」


「大丈夫か?」


「今は平気…少しだるいけど」


「そっか」




俺は近くの椅子に座った




「発作は?今はねぇの?」


「うん…
さっき薬飲んで…落ち着いた」


「痛くねぇの?」


「大丈夫…

さすがにあれから時間経っているから」





斗真が保健室を出てから

俺たちは教室に戻った

松本先生から連絡がいっていたのか

授業の担当教師はそこまで怒っていなかった