「えっ…
もしかして…心臓痛むの」
「違っ…ゲホゲホッゲホンッ…ゴホゴホゴホッ…」
否定するけど
心臓の辺りを押さえる手は震えたまま
「ハァハァ…ゲホゲホッ…ハァハァゴホゴホッ…ガホッ…ゲホゲホッ…」
あたしは必死にその背中をさすった
薬を今すぐ取って行きたいけど
このまま放ってなんていけない
「…白羽くん…」
どうしよう
さすることしかあたしは出来ないの?
「ゲホゲホッ…ゲホンッ…黒木さ……ゴホゴホゴホッ…」
「どうかした!?」
「…ごめっ…ゲホゲホッ…ゲホゲホッ…ハァハァ…」
「ゆっくりで良いよ…何?」
「きっ…ゲホゲホッ…へい…ゴホゴホッ…ゲホゲホッ…ハァハァ」
「ん?なんて言った?白羽くん―――」
ふっと
あたしの唇に
何か柔らかいものが触れる


