あたしは階段を上って白羽くんに近づこうとした
だけど手で制止されてしまう
「ゴホゴホゴホッ…来ないゲホゲホッ…で…ゴホッ」
「どうして……」
「ゲホッゴホゴホゴホッ…ッ…ハァハァ…ゲホゲホッ」
あたしは隣に座った
そしてその背中を撫でる
「薬は?」
「ハァハァ…ッゲホゲホッ…なっ…ゴホゴホゴホッ…ガホッ」
「ないの?」
口元を押さえて何度も咳きこむ白羽くんが
辛そうに頷く
「そんなっ……」
「…っう……ゲホゲホッ…ハァ…ゴホゴホゴホッ…」
ぎゅっと胸元を握る白羽くん
「白羽くん…!」
「ハァハァハァ…いた……ゴホゴホッ…ゲホゲホッ」
くの字に体を曲げ
痛みに顔を歪める白羽くん
あたしの心臓もドクンと音がした


