「…最近体調良いんだね」 「あっ…うん…まあね」 「そっか…じゃあね」 僕の横を通り過ぎようとする黒木さん あの音楽室からの帰り道が蘇る 「……待って!」 行こうとしたその腕を掴んだ だけど黒木さんは振り返らない 「……黒木さ…」 言いたいこと沢山あるのに 何にも浮かばない 口から出てくるのは息だけ 言葉なんて一切出て来ない 「……ごめんね白羽くん」 僕の手から 黒木さんの腕がすり抜けて行く 再び掴むことは出来ず 黒木さんはそのまま行ってしまった