「ていうか…何で俺まで?」
「樹にも聞きたいことあるの」
屋上へ続く階段途中
ロープが張ってあるのをくぐり抜け
私たちはやってきた
ここは人の少ない秘密の話をするのには絶好の場所
「樹
さっき白羽とどんな話をしたの?」
私が聞くと
樹は見るからに嫌そうな顔を浮かべた
「…斗真に
黒木さんと何かあったかって聞いたんだ」
美夜は何も言わないで大人しく聞いている
「そうしたら…
あの遊園地で萌が見たって言う真顔で
“樹には関係ない”って…」
あの真顔で…そんなことを?
あの白羽が?
「どうしてそんなこと…」
「さぁな…
それ以上は黙っちまって聞けなかった」
私は美夜の方を向いた


