でもこんなの
言われなくちゃ気が付かなかった
どうってことないはずなのに
「黒木さん」
「は…はい?」
「おいで」
「へ?」
「良いからおいで」
「……はい?」
「聞こえなかったの
おいで」
サッと手を差し伸べられる
ハテナマークを脳内に大量に浮かべながらその手を掴むと
「っ!!??」
グイッとその手を引かれ
一瞬何が起こったかわからなかった
だけど膝の後ろに感じた肌の感触に
やっと何が起こったのか理解出来た
「…平気?」
「ハイ…平気デス……」
ベッドの上で
あたしは白羽くんに
お姫様抱っこされる形になっていた


