「ケホケホッ」と軽く咳をした白羽くんは
あたしを見て微笑んだ
「ありがとねさっきは」
「へ?」
「恥ずかしかったけど嬉しかったよ」
「…あ」
何を言っているのかわかって
一気に顔が熱くなる
「まさかあんなに語るとは思ってなかったけどね」
「あの時は…先に言われちゃったから…無我夢中で」
「広一さんと実也子さんに言っていなかったんだね」
「言う機会が見当たらなくて…
ところで白羽くんはお父さんとお母さんと知り合いなんだね」
「うん
以前この病院で
父さんと母さんの結婚式を開いてもらったことがあったんだ
母さんは僕と同じで弱い人だったから
下手に出歩いて発作起こされても困るからって
母さんは心臓が悪かったから
広一さんのお父さん…黒木さんにとってはお祖父さんが院長だった時にね」
「全然知らなかった…」
「僕もそれは話を聞いたことがあるだけだよ」
「白羽くんがその時に生まれていたら
白羽くんが長男になっていたよ」
「それもそうだね」
クスクスと白羽くんが笑う
あたしも一緒に笑った


