「白羽くん風邪?平気?」
「大丈夫…デス……」
何故カタコト?
「本当に?」
「本当…デス……」
近づいて少し腰を低くして下から覗き込む
「本当に?」
サッと素早く手を動かして口元を隠し
数歩後ずさりする白羽くん
「ぼっ…僕は平気だから!
み…皆集まっているみたいだし…行こうよ!」
やけに早口で焦っている?
「どうかした?」と聞こうとしたけど
「黒木さんも早く!」と急かされ
結局聞けなかった
…変な白羽くん
「黒木さん…
服装だけでも似合っていて可愛いなぁって思ったのに
何で下から覗き込むかなぁ…
僕のこと殺すつもりか?黒木さんは
…僕の心臓
今日持つか不安になってきた…」
「死ぬなよ?」
「ぅわっ!?
樹聞いていたの!?」
「心の声だだ漏れだ
黒木さんにますます惚れたのならそれで良い
だがそれで発作起こされても困る
気を付けろよ?」
「僕じゃなくて…黒木さんに言ってよ…」
はぁ…と白羽くんが溜息をついたのを
あたしは知らない


