想太は簡単な挨拶をして、集まってくれた人達の顔を一人一人眺めていた。

ここの部長の話を引き受けたのも、可南子の就職先だと分かったから・・・
偶然の再会は、想太がたぐり寄せた必然の再会だった。

想太は、女子社員からあっという間に囲まれた。


「部長は、彼女っているんですか?」



「今は、いない」



「好きなタイプは?」



「好きになった人がタイプかな」


ありきたりの質問にうんざりした想太は、集まっている女子社員に向かって、


「僕は幼い時にしばらく福岡に住んでたんだけど、ここに福岡出身の方がいればその人と話がしてみたい。
この部に、福岡の人っています?」


想太から離れた場所に座っていた可南子は、何も知らずに隣にいる男性と仲良く話していた。

すると、美咲が私の元へ飛んできた。


「可南子さん、部長が呼んでます」