HRも終わり、グラウンドでは部活の用意が始まってた。
帰ろ…
椅子から立ち上がり、廊下へ出たら保がいた。
「帰んの?」
「駅いく」
「電車通?」
「違う。ウリに行くの。」
なんでか、保の目を見て話せなかった。
「…そか。気をつけて行ってこいよ。」
そう言われて、胸の奥がチクッとした。
「…ん。じゃね。」
そのまま目を合わさずに保の横を通り過ぎようとしたら、いきなり腕を引っぱられて抱きしめられた。
「ごめん、ちょっとチカラちょうだい。」
昨日の保とは違って、とても弱々しい声だった。
時間にしたら1分もなかったと思う。
「わりぃ。ありがとな。」
そんな…
そんな泣きそうな顔で言われたら、怒れないじゃん…。
保とは昇降口で別れた。
私は駅に行き今日の寝床と生活費をくれる人を探す。
