「えっ? いくら?」


なるほど、あの宅配便の中身は、いくらだったのか。

しかも、北海道産、美味しいだろうなぁ。

つい、食い気に釣られてしまう。

千紗はなるべくテンションが上がったことが悟られないように、落ち着いてメールを打つ。


「いただいてもいいんですか? いくら大好きです――っと……」


お礼なんて言われるほど大したことなんてしてないのに。

そう思いつつ、やっぱりちょっと嬉しかった。

仲良くなるきっかけなんて、あまり転がってないと思っていたから。

だってよくあるパターンで、「これ実家から送られて来たんですけど」と言いながら野菜とかフルーツを持って行ったりするなんて。

なかなか出来ない。

下心なしで、そういう行動が許されるのはドラマに出てくるような、清純派のかわいい女の子くらいだと思う。