大阪から久々に戻ってきた彼を見て、ぴんときた。 気まずそうで、目を合わせない。 それにいつもよりなんだか優しい。 「ごめん。他に好きなやつができた」 そう、久志は、人一倍、嘘をつけない人間だった。 だから、違う課の女の子と噂があっても、どんなに飲み会続きでも、千紗はずっと信じていられた。 だって顔に出るから。