「あの。斎藤課長……あの方は……」 「ああ、帰ったわよ」 彼女は、そう言うと切ったステーキをフォークで刺して、口に入れた。 怒っているのか、呆れているのか、わからないが、とにかくいつも通りナノが、逆に怖かった。 「え、すみません。私のせいで……すぐ謝って戻ってきてもらうようにお話します……」 千紗は、慌てて追いかけようとする。 「いいわよ、別に。座りなさい」 「え、でも……」 「このお肉美味しいわよ、せっかくだから食べなさいよ」 彼女のその態度に、千紗は意味が分からなくなっていた。