「うそついてごめんなさい。 先生、そろそろ誕生日でしょう? だから…。」 咲織はネクタイを僕に差し出す。 「先生に…。徹さんに、あげる。」 咲織が僕を“徹さん”と呼ぶのは初めてで、気恥ずかしくなった僕は、咲織を抱きしめて、互いの顔を見なくていいようにしてから、ありがとうと、呟いた。 こんな幸せが、ずっと、ずっと続くと思ってた。