始まりは何となくだった。



いつも通り大学の中にあるカフェで、本を読んでいたときのこと。


桜が散り切って、葉桜に衣替えして、気温も上がってきた、たしかあれは、六月の終わり頃のこと。





今でも鮮明に思い出す。


僕は彼女と、咲織と、出会った。