声が出ないってことは、これは悪い夢なのかな。
「美羽~? どーした?」
翼が私に笑いかけている。
なんで……?
なんでそんな平気な顔していられるの?
隣の子を抱きながら私の名前を呼ばないで。
「ちょっと……あれ翼の彼女じゃん!?」
隣の女の子がそう言って、焦りだした。
「あー、別に気にすんなって」
翼は笑いながら再びその子を抱き寄せ、深いキスをして。
そのあと首筋にまでキスを落としていた。
見たくないのに目が離せない。
涙が頬を伝っている感覚だけはわかる。
「つば……さ……彼女に見られて……」
「関係ねぇよ」
見せつけるかのようにその行為は大胆になっていって。
女の子はとろける様な目をしている。
周りからもひやかしの声が飛んだ。
「ひでー男だなぁお前も!」
「もっとやれー! そのまま脱がせちまえ~」
笑い声が頭に響いてきて痛い。
イタイイタイイタイイタイ……
なんなのこれ。
なんなのコレ。



