今宵、君の翼で


「あっ、翼たち走り終わってきたんじゃね!?」


シホ先輩が指さした先には、数台のバイクがものすごい音を立てていた。


ヘッドライトの光がまぶしくてよく見えないけど……



隣にいたシホ先輩が「行ってきなよー」と、私の背中を押した。


「え、でも……」


「いーからいーから! 翼だって美羽と一緒にいたいでしょっ。私も適当に友達んとこ行ってくるからさ」


「は、はい……」


シホ先輩はニコニコしながら私の元を去っていった。


まだあの光の中にひとりで飛び込むのには勇気がいる。


でも……


翼がいると思うと自然と足が動く。



私は小走りで翼たちの元へと向かった。


「翼!」


バイクの音で聞こえないとは思うけど、そう呼んだ次の瞬間。


ドクン……と心臓が大きな音を立てた。



み、まちがい……?


あれって……翼?


翼じゃないよね、だって……