今宵、君の翼で



みんなひどいよ……


表では翼と仲良いフリして、裏では翼のこと悪く言ったりして……


もう誰も信じない。


キライ。この人も嫌い!



「そんな怖い顔すんなって。翼の悪口を言いに来たわけじゃない」


四条さんが私を触ろうとした瞬間。


「何してんの?」


振り返るとシホ先輩が驚いた顔をしてこちらを見ていた。


「シホ久々~」


四条さんはにこやかに手を振っている。


「悠一郎……なんでここに?」


「ちょーっとこの子に用があってね。でもまた今度でいいや」


そう言って四条さんはシホ先輩の方へと歩いていく。


シホ先輩は動揺しているようだった。


「よくノコノコ来れるね……あんな別れ方しといて」


2人の間に重い空気が流れる。


四条さんはフッと笑い、アパートの階段を下りて行った。



「あ、あの……四条さんってシホ先輩の元カレだったんですか?」


「まぁね……去年別れたけど。あいつ浮気しててさ……」


シホ先輩は私と話しながら、小さくなっていく四条さんの後ろ姿を見ていた。