「……」
「どうかした……?」
「い、いや。なんでもねー」
なんでもないようには見えないんだけど。
そんなことを思いながら、私は心の中でお兄ちゃんに話しかけた。
お兄ちゃん。
遅くなってごめんね。
本当にごめんね。
お兄ちゃんが死んでしまった事受け入れられなくてずっとここに来れなかった。
そして家も出ちゃった……
怒ってるかな?
きっとお兄ちゃんなら今すぐ家に帰れって言うよね。
でもね、お兄ちゃんがいなくなったあの家に私の居場所はもうないんだ。
お父さんの苛立ちも、お母さんの泣き顔ももう見たくない。
2人は私がいなくなっても、きっと平気だと思う。
お兄ちゃんがいればそれでいいんだよ。
私はお兄ちゃんの代わりには到底なれないから……
私はひとりで生きていく道を選んだ。
そして、お兄ちゃんをひき殺した犯人……
時効の前に絶対捕まえてみせるから。
だからどうか私に力を貸して……?



