そうかもしれない。


そうかもしれないけど……


「もう一度、よく考えてみてごらん。どっちを選んだ方が幸せなのか。俺はいつでも君のためなら離婚できるから」


浅野さんの目があまりにも真剣で、離せなかった。

遊びだと思ってたのに、こんなに真剣に考えてくれていたなんて。


答えは決まっていたけど、真剣に思ってくれてる浅野さんになんて言ったらいいのかわからなかった。

どうしても浅野さんを傷つけることになっちゃうんだ……


この日は体を重ねることなく、私たちはただ同じベッドに寝た。


浅野さんといるとすごく落ち着く。

お兄ちゃんが生きてたら、こんな感じだったのかな。

昔からお兄ちゃんだけは私の味方だった。

だから私はあんな家でも頑張ってこれたんだよ。

なのに、どうして死んじゃったの……


浅野さんの眠っている横顔を見ながら、私も深い眠りについた。