今宵、君の翼で


「長いっていっても2年くらいですけどね。つーさんはすごいんですよー幹部の人たちからも好かれてて、しょっちゅー顔出しにくるんすよ」


「幹部?」


「幹部の奴らはおっかないっすよ、暴力団とも繋がってますしね。でもつーさんとはめっちゃ親しいみたいで」


圭祐がヒソヒソ声で話してくる。


色々聞くたびに胸がドキドキしていた。


「でも……翼はそんなに悪いことってしてない……よね?」


「まさかまさか! してますよ! 俺らでも吐きたくなるよーなこと、平気でやっちゃってますよ」


それがどんなことなのか、知りたかったけど聞きたくなかった。

黙っていると、顔を覗かれた。


「大丈夫ですか? やっぱこーゆーの無理っすか? 今までの彼女さんたちもダメみたいでしたもん」


それはシホ先輩も言ってた。

元カノたちも怖がってたって。


耐えられるかって……このことなの?