その後何人かと話したけど、みんな良い人そうで陽菜とかシホ先輩が言ってたようなコワイ感じの人はあまりいなかった。
2人とも大げさに言っただけなのかな。
「美羽、寒くねぇ?」
翼がずっと肩を抱いてくれていたけど、確かにちょっと冷えてきた。
「うん、少し……」
「じゃ、あっためてやる」
私の手をひいて、バイクの群れから少し離れた縁石に座った。
そして私を後ろから抱きしめてきた。
毛布を掛けられたように暖かくなった。
でも……
「少しはあったかいっしょ?」
「う、うん……」
緊張して体が硬直する。
「美羽のこと、紹介したくねーけどしなきゃねぇからさ……」
「紹介したくなかったの?」
「したくねぇよ。お前可愛いし」
抱きしめる力が強まる。
みんなの所から少し離れてるとはいえ、丸見えの位置。
たまにチラチラと視線が感じるのに、翼は平気な顔してくっついてくる。



