今宵、君の翼で



「え…?」


「もうさ、いつ会えるかもわかんねーやつから解放されてもいいんじゃね?それに鑑別所から出てきてもこの先まともな職につけるか…」


「そんな事!言わないで…」


咄嗟に出た大きい声に、自分でも驚いて慌てて口を塞いだ。


「でも…真面目な話、これからどうすんの?社会に出ても普通の奴より大変だと思うよ?」


「うん。わかってる…でも…私は翼が頑張ってくれるならついていきたいの…一緒に…」


翼との暮らしを夢見てた。


いつか二人で暮らす夢を…


世間から罵られてもいい。翼がいれば…


ああ……


今はただ…翼に会いたい。





気づくと泣いていた。


村上くんはそんな私を見て動揺していた。



「ご、ごめん…泣かせるつもりなかったんだけど…」


「ううん…私こそごめん…」


「俺さ…あわよくば佐久間さんとうまくいかないかなーって思ってた」


「え?」


「彼氏いるのは知ってたけど、うまくいってなさそうだし弱みに付け込んで、優しくしたら振り向いてくれっかなーって…」