今宵、君の翼で



申し訳なさそうな声で言うシホ先輩に対して、笑って「いえ、大丈夫です」と言うのが精いっぱいだった。


四条さん達は出てこれた…でも翼はまだなんだ…


やっぱり翼の罪は重くて、もしかしたら出てこれないのかもしれない。


道路の真ん中で立ち止まっていると、後ろからドンッと勢いよく体を押され、私は前に倒れそうになった。


「おわっ!!」


誰かがそう叫ぶ。


倒れそうになった私の体を慌てて押えてくれたのは、村上くんだった。


「ご、ごめんっ」


「いや、俺の方こそごめん、強く押しすぎた!」


私の背中を押したのは村上くんだったようだ。


「軽く押したつもりだったんだけど…」


村上くんは申し訳なさそうに頭を下げた。


「ううん!ボーっとしちゃってたから…」


「これからはふざけるのやめまーす…」


しょんぼり顔の村上くんを見て思わず吹き出してしまった。


なんだか嫌な事が吹っ飛んでいくな…