今宵、君の翼で



私の手が震えている…

よく一場先輩にあんなことが言えたな。

私も少しは強くなったのかもしれない。



「ごめんね…急にあんなこと…びっくりしたでしょ」


「いや……」


変な空気が流れる。

私も一場先輩と同類って思われたよね…

村上くんは軽い感じの人だけど、常識ある普通の人だもん。


「佐久間さんが怪我しなくてよかったと思って」


「え?」


「なーんかこえぇ人だったからさぁ、俺ちゃんと守れるのかってヒヤヒヤしてた」


村上くんは安心したように笑った。


「ま、守ってくれてたよ!私、心強かったもん…私一人だったら絶対あんな事言えなかった…」


村上くんが側にいてくれたから、ハッキリ言えたんだ…


「佐久間さん、あいつにストーカーされてるわけじゃないよね?」


「うん…違うんだけど…」


これまでのこと話したら、きっと引かれてしまう。


一場先輩との事も絶対に言いたくないし…