今宵、君の翼で


彼はバイト歴2年の、一応ベテランだ。

同い年ということもあり、ちょくちょく話しかけてくる。


バイトの後ご飯に誘ってきたり、ちょっと軽い感じの人なのかなと思う。


「まだ大丈夫ですっ」


「今日殺人的な暑さじゃん、変わった方がいーよ、ほら…ドリンク補充してきてよ」


村上くんは半ば強引に私からタオルをとると、上の方を拭き始めた。


脚立を使わないと届かないところ…


「大丈夫だからっ私暑いの平気だし!」


少し強い口調で言うと、村上くんは手を止めて私の方を見下ろした。


「佐久間さんてさ、強情だし変に真面目すぎでしょ」


「え…」


「このバイトに入ってきた時から思ってたけど…なんか無理してる感じがする」


言われてドキッとした。


一瞬時が止まったかのように2人は動かず、村上くんは私をまっすぐに見つめていた。