「ああ…そのつもりだ。私にはもうなにもないのだからな。生きる希望も…」
「なに言ってんすか!?」
その時、父の側にいた翼が声を荒げた。
「美羽は…美羽はどうなるんですか!?美羽だってあなたの最愛の娘でしょう!?だったら…彼女のために罪を償ってください!美羽はきっと…お父さんの事待っていますよ。…だろ!?」
翼に話を振られたが、目を逸らして俯いた。
「お父さんは私の事どう思っているのかわからない…私なんか最初からいらない子だったんでしょ?いくら私が待っていたとしても…」
「な…何を言ってるんだ!いらないわけないだろう!私は…お前が許してくれないんじゃないかと思って…」
「正直今は許せない…そのせいで翼が犯人扱いされていたし、お兄ちゃんの事見殺しにしたことも許せない。でも、お父さんが本当の事を話して罪を償ってくれるなら…私はいくらでも待とうと思ってる。だって、たった一人の家族になるかもしれないんだよ…?」
泣くのを堪えていた。
父の前で泣いた事なんてなかったから…
でも…あの父が泣いている姿を見たら…



